M&Aを成長戦略として活用したい企業にとって、社内にM&A専任担当者を置くことは理想的な選択肢の一つです。自社でM&Aを推進できる体制を整えることで、スピード感を持って譲受候補先を探し、交渉から成約まで一貫して動けるようになります。
しかし、いざM&A担当者を採用しようとすると、多くの経営者が同じ壁にぶつかります。「求人を出しても応募が来ない」「良い人材が見つからない」「採用できても即戦力にならない」「そもそも何を基準に選べばいいかわからない」といった声は非常に多く聞かれます。
本記事では、M&A担当者を採用する前に経営者が知っておくべき5つの重要なポイントを、現場の実態をふまえて詳しく解説します。
① M&A担当者に求められるスキルは非常に幅広い
求められる専門知識の範囲
M&A担当者に求められるスキルは、一般的なビジネスパーソンのそれをはるかに超えます。具体的には以下のような知識・スキルが必要です。
財務・会計の知識
企業価値評価(バリュエーション)を行うためには、財務諸表の読み方はもちろん、DCF法や類似会社比較法といった企業価値算定手法を理解している必要があります。
法務の知識
M&Aには株式譲渡契約、秘密保持契約、表明保証条項など、複雑な法的手続きが伴います。弁護士と連携しながら契約内容を精査し、自社にとってリスクのない条件を交渉できる法務知識が求められます。
交渉力・コミュニケーション能力
譲渡企業様のオーナーや仲介会社との交渉は、M&Aの成否を左右する重要なプロセスです。相手の立場を理解しながら、自社に有利な条件を引き出す交渉力が必要です。
業界知識・ネットワーク
良質な譲渡企業様の情報は、仲介会社やFAとの信頼関係から生まれます。業界内のネットワークを持ち、情報収集能力が高い人材でなければ、良い譲渡企業様にアクセスすることが難しいのが現実です。
プロジェクトマネジメント能力
M&Aは複数のステークホルダーが関わる複雑なプロジェクトです。弁護士・会計士・税理士・仲介会社など、様々な専門家と連携しながら、プロジェクト全体を管理する能力が必要です。
② 採用コストと人件費は想像以上に高い
M&A経験者の年収相場
M&A経験者の年収相場は、経験年数やスキルによって大きく異なりますが、平均年収1,200万円以上です。
採用にかかるコスト
- 求人広告費:50万〜100万円
- 人材紹介会社への手数料:内定者年収の30〜35%(300万〜500万円)
- 採用担当者の工数:数ヶ月分の人件費
1人のM&A担当者を採用するだけで、初年度だけで1,500万〜2,000万円以上のコストがかかる計算になります。
③ 採用しても即戦力になるまで時間がかかる
オンボーディングに要する期間
M&A担当者を採用できたとしても、すぐに成果を出せるわけではありません。
- 社内業務の理解:1〜2ヶ月
- 仲介会社・FAとのネットワーク構築:3〜6ヶ月
- 社内プロセスの整備:2〜3ヶ月
採用から実際に成果が出るまでに、最低でも6ヶ月〜1年はかかると見ておく必要があります。
④ M&Aの機会は待ってくれない
M&Aの世界では、良い譲渡企業様ほど譲受企業様のお引き合いが多くなります。仲介会社から譲渡企業様の情報が届いた時点で、すでに複数の譲受候補先が検討を始めていることも珍しくありません。担当者の採用・育成に時間をかけている間に、絶好のM&A機会を逃してしまうリスクは非常に高いと言えます。
⑤ アウトソーシングという選択肢がある
M&A業務のアウトソーシングとは
採用の難しさ・コストの高さ・時間のかかさという3つの課題を解決する方法として、近年注目されているのがM&A業務のアウトソーシング(BPO)です。
アウトソーシングの主なメリット
- 即戦力を即座に確保できる:最短1営業日でのアサインが可能です
- コストを大幅に削減できる:正社員採用と比べて人件費・採用費を大幅に抑えられます
- 専門性の高いサポートを受けられる:全フェーズを一貫してサポートします
- リスクを低減できる:経験豊富な専門家が関与することでリスクを最小化できます
まとめ
M&A担当者の採用は、スキルの希少性・コストの高さ・育成期間の長さという3つの大きな課題があります。M&Aを成長戦略として本気で活用したいと考えているなら、まずはアウトソーシングという選択肢を検討してみてください。
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